こがねいろ

いろいろ備忘録

G and R side effect

はじめに

線形混合モデルにおいて経時的な反復測定データを扱う場合,例えば「個体ごとのランダム効果」と「時点間の相関構造」を同時に組み込みたい場合がある。

SASSAS PROC Glimmix)では,前者をG side effect,後者をR side effectとし,両者をモデルに組み込むことができるようである。

SPSS(線型混合モデル)でも,前者を変数選択により,後者を「反復測定共分散」により指定することができる。

一方で,Rではパッケージにより指定可能かどうか,指定の方法が異なる。


混合モデルを扱うRの関数

{nlme}
誤差にガウス分布しか指定できない。
共分散構造を組み込むことができる。
(反復測定間の相関を指定できる)

{lme4}
リンク関数が豊富である。
共分散構造を組み込むことができない(難しい?)。

{brms}
共分散構造を組み込むことができる。
ベイジアンアプローチを採用している。
Rにおけるモデルの構文は {lme4} と同様のもの。


関連する記事・サイトのURL

{nlme}{lme4} の選択
stackexchange How to choose nlme or lme4 R library for mixed effects models? - Cross Validated

空間的に自己相関のある残差への対処
stackoverflow r - How to deal with spatially autocorrelated residuals in GLMM - Stack Overflow

空間的自己相関を考量したベイズモデル
久保氏 簡単な例題で理解する空間統計モデル : HUSCAP

SPSSにおける共分散構造の指定
線型混合モデル

{nlme} における共分散構造の指定
橋本氏のウェブページ 橋本洸哉のサイト - ランダム効果とcorrelation structure

{brms} における共分散構造の指定
Specifying R-side and G-side Random Effects in brms - brms - The Stan Forums

縦断的データの解析手法に関する講義
Marie Davidian氏 ST 732 - Spring 2022